ドルステニア・フォエチダ Dorstenia foetida クワ科の多年草で、アフリカ東部からアラビア半島に分布しています。形態にはバラエティーがあり、これらはときに別種に分けられることがあります。 多肉質の茎を持ち、その表面には葉が落ちた痕が残っていて滑らかではありません。茎の先端には楕円形をした数枚の葉がつき、日本で栽培すると冬は落葉し、多肉質の茎だけが残ります。 花はごく小さくて花弁は無く、雌雄が異なり、花茎の先にある盤状に広がった花序軸の表面に密集します。盤状になった花序軸の縁には指状の突起があり、異様な雰囲気を醸し出しています。 花序は暖かい季節に数回つけ、結実し熟すと自力で種子を遠くへ弾き飛ばします。 Dorstenia属は熱帯地域に170種ほどがしられていて、特異な花序をもつ一群です。この特異な形態から、同じクワ科でイチジク状の形をした花序の起源は、Dorstenia属にみられるような盤状になった花序の縁が巻き込んでできあがったと考えられています。 栽培は、年中明るい場所で管理すると好ましい姿になりますが、真夏は日よけをしたほうが無難です。砂質の水はけよい土で植え付け、水はやや控え気味に与えますが、生長期間中は強く乾かさないようにします。冬になり落葉したら水はさらに控え乾燥気味に保ちます。寒さにはやや弱く、最低気温は3度くらいまで耐えられるようですが、10度を下回らないように管理するほうが安心です。 増殖は、こぼれ種子で容易に増えます。気温が高ければすぐに発芽し、驚くくらい遠くの鉢からも生えてくることがあります。 |
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