ヒノキバヤドリギのアップ   シャコバサボテンを思わせる株姿。
ヒサカキに寄生しているヒノキバヤドリギ   ヒサカキの枝に寄生している状態。
  寄生している部分が肥大しています。
ヒノキバヤドリギの花   とても小さな花で咲いているのか
  非常にわかりづらいです。

ヒノキバヤドリギ

日本では関東地方以西に生えるヤドリギ科の植物です。半寄生植物でツバキ科、モチノキ科、モクセイ科などの常緑樹ときに他の落葉樹の枝に寄生する変わった植物です。写真の個体はヒサカキに寄生しています。ヒサカキの枝の寄生されている部分は膨れています。ヒノキバヤドリギは葉緑素を持ち光合成をするので完全寄生ではありませんが、ヒサカキのほうはダメージが大きいのか葉が少なめです。
ヒノキバヤドリギの葉は目立たず節々につく小さな鱗状のものです。葉のように見えるのは茎で扁平、まるで小さなシャコバサボテンを思わせる姿です。
花はごく小さく径1mm以下で春から秋に咲きますがよくわかりません。実も小さく径2mmほどで、熟すとはじけて粘液質で覆われた種子が1mほども飛び散り宿主の枝にくっつき寄生するといわれています。(アリによって種子が運ばれるという説もあるようです)

栽培は、宿主が健全に育つ環境であればよく育ちます。明るいところで管理すると枝もつまってかわいらしい株姿になります。
とにかく宿主を弱らせないようにしなければならないので、ヒノキバヤドリギをたくさん寄生させないようにしましょう。たくさん寄生すると宿主の葉や枝が枯れたり、ひどい場合は宿主が枯死してしまいます。宿主が弱るとヒノキバヤドリギは茎をパラパラと落とし枯れてしまいます。
あえて実生を試したことはありませんが、いつの間にか勝手に実生苗が宿主から出てくるようです。
一つの宿主にたくさん実生苗が出てきた場合は必ず間引きをしましょう。
ツバキなどを育てている方にとってはやっかいな有害植物ですので隣近所に飛び散らないよう管理する必要があると思います。
また、自生地ではドウダンツツジに小株ながら寄生しているのを見ましたので、他の樹種にもうつらない様に気をつけたほうがよさそうです。


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