カヤラン
日本では宮城県から九州まで分布する小型着生ランです。海外では中国大陸南部にあります。芽先は下へ根は上に伸び、逆立ちしてぶら下がるようにして木にくっついています。奈良県では湿り気の多い谷筋に比較的多く見られるランです。厚めの葉が左右に規則正しく並び名前の由来にもなっている榧(カヤ)の木の葉を思わせる姿をしています(名前の由来はカヤの木に良くくっついているからとの説もアリ)。
小さい草姿ながら根をたくさん伸ばし、いかにも頑張って木にくっついている感じがします。
細い花茎を数本垂らし、4月ごろ1花茎に花を数個咲かせます。小さい花ながらも丸みある黄色い花がかわいらしく、ころころした雰囲気。唇弁(リップ)は丸みある袋状で内側には赤褐色の虎縞模様が入りアクセントになっています。
栽培は、環境づくりが重要です。空気中湿度が高い環境で風通しもあるところが理想です。環境さえ合えばヘゴにくっつけても、杉皮につけても、庭木につけても、束ねたミズゴケにつけても良くできます。つけるときは芽先が下を向くようにします。
鉢にミズゴケ植えもできますが根が加湿にならないように注意します。
蒸れても乾燥しすぎても葉を落とし枯死してしまうので栽培はあまり簡単なほうではありませんが、相性の良い環境を見つけてあげれば手をかけなくても育っています。
私のところでは、杉の皮にくっつけて、明るめでやや風通しよいところの地面近くにぶら下げています。学生の頃からずっとそのままですが頑張って育っています。
冬はやや乾き気味にし、霜や乾風に当てないようにしましょう。
|