キイイトラッキョウのお花のアップ   赤紫色のお花がかわいらしい。
  半開き気味で咲きます。
  写真中の葯(やく:雄しべの先の花粉が
  入っているところ)はほとんどはじけて
  いますが、はじける前はオレンジ色を
  しています。
キイイトラッキョウのお花を横から   お花の横顔です。
  イトラッキョウ(長崎県・鹿児島県産)と
  異なりお花の色は濃い目で横向きや、
  下向き加減で咲きます。
自生地でのキイイトラッキョウ   自生地での様子です。
  日当たり良い渓谷の岩の隙間に
  生えています。

  写真は2005年10月に和歌山県にて
  撮影しました。
  ちょっとピントが合っていませんが、
  たくさん蕾があがっているのがわかり
  ますか?  
キイイトラッキョウ
ユリ科(ネギ科)の小型種で、和歌山県・愛知県・岐阜県・山口県の渓流沿いの明るい岩上や岩の隙間に生えています。細い糸状の葉を地中にあるラッキョウ型の鱗茎より数本出し、葉はネギの様に中空で、葉を揉むとニラの様な臭いがします。
高さ15〜30cmに伸びた細い茎の先に秋に赤紫色のかわいい花を咲かせます。
似たものにイトラッキョウがありますが、こちらは長崎県の平戸島と鹿児島県(サツマラッキョウ等と呼ばれたりもする)に生え、葉の中は中空でなく、花の色は薄め、花柱と雄しべは短めで、花はより開き、散形状に花を咲かせます。
ヤマラッキョウにも似ていますが、こちらは花茎に葉がつき、花の数もかなり多いです。
イトラッキョウと混同して流通していることがあり注意が必要です。
名前はキイイトラッキョウ(紀伊糸辣韮)でキイトラッキョウではありません。自生地は限られているので希少種です。

栽培は、簡単です。明るいところに置きましょう。赤玉土に鹿沼土や軽石砂、日向土などを混合したものに植えつけます。晩秋か春先に植え替えると良いでしょう。根がよく張るので毎年植え替えると調子よく育ってくれます。水遣りは普通くらいですが、晩秋から冬にたくさん水をあげすぎると鱗茎が腐りやすいので注意しましょう。肥料はリン酸分の多いものにしましょう(窒素分が多いと鱗茎数は増えますが小さくて花が咲いてくれません)。
増殖は鱗茎がよく殖えますので植え替え時に株分けするか実生の場合は採り播きにします。3年くらいで開花株になります。


戻る