キクシノブの葉姿   葉姿です。
  革質で厚みがあって美しい。
  葉色は濃緑色でしっとりとした艶が
  あります。
  葉の長さは数cm〜10cmほど。
  
  何となく菊の葉に似て見えますね。
胞子嚢をつけたキクシノブの葉の表   胞子嚢をつけた葉です。
  葉の縁がより細かくギザギザになります。
  
胞子嚢をつけたキクシノブの葉の裏   胞子嚢をつけた葉を裏側から撮影
  しました。
  葉の縁に丸い胞子嚢群(ソーラス)が
  並んでいます。
キクシノブ
着生シダ植物です。日本の暖地(紀伊半島、四国東南部、九州南部)の主に川沿いのコケの多い岩や樹木にくっついています。根茎は褐色の鱗片を持ち長く這います。その根茎から2〜5cm間隔くらいで葉を出します。葉は常緑で、艶のある濃緑色をして厚みがありとても美しくかわいらしいです。何となく葉の形が菊の葉に似ていることが名前の由来です。
とても人気のあるシダですが希少種です。似た仲間にはシマキクシノブがあり葉の切れ込みがより細かくて鹿児島・沖縄に生えています。

栽培は、やや難しいものとして知られています。一般的には空中湿度が特に高いところに置くことがポイントとされています。入手する苗の状態も重要なようで、根茎が長くて葉や根が多くついていて根茎の先に生長している芽があるものを選びましょう。軽石砂やミズゴケ植え、ヘゴ付けにもできます。ヘゴ付けは春から初夏までに行いましょう。他の季節に入手したらとりあえず軽石砂かミズゴケ植えにしておきます。とにかく根はなるべく切らないように注意して作業します。
自生地では比較的乾いているように見える岩などに生えていることから乾かし気味に管理される方が多いのですが、私の場合はヘゴに縛りつけヘゴを腰水して明るめの日陰で管理しています(囲ってはいません)。かなり根は濡れていますがしっかりと育ち殖えてくれます。気が向いたら液肥をあげています。暖地のシダなので霜には当てないようにしましょう。
増殖は根茎を切り分けますが、長く伸びるまで分けないほうが良いでしょう。


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