コヒロハハナヤスリの草姿 コヒロハハナヤスリの胞子嚢穂   左側の写真はコヒロハハナヤスリの
  草姿です。
  6本かたまって立っています。
  1本は栄養葉1枚に胞子葉1枚という
  シンプルな姿です。
  シダ植物らしくないですね。

  右側の写真は胞子葉の先端部にある
  胞子嚢穂です。
胞子を飛ばし始めた胞子嚢穂   成熟した胞子嚢穂です。
  胞子嚢穂に隙間ができて
  そこから胞子が飛び散ります。

  なんだかガラガラヘビの尻尾を
  思わせるような…  
自生地のコヒロハハナヤスリ   自生地でのコヒロハハナヤスリです。

  栄養葉(卵型をした方)の基部に
  短い葉柄があることが特徴です。

  胞子葉(棒状の方)はまだ伸長途中です。
  2006年5月に奈良県にて撮影しました。
コヒロハハナヤスリ(フジハナヤスリ、ハナヤスリ)
ちょっと変わったシダ植物です。
本州から沖縄まで分布していますが、多くは関東から南の暖地に分布しています。よく似たヒロハハナヤスリも広く分布しますが多くは近畿地方から北に分布しています。
山地の林床や林縁、原野、庭などに生え、特に墓地によく生えることで有名です。
長さ1.5〜6cmほどの葉(栄養葉)を1枚つけ、この基部より長さ5〜16cmの棒状の胞子葉が1本直立します。
胞子葉の先端側には2列に胞子嚢がつきます(胞子嚢穂)。
冬期に地上部は枯れます。
同じ仲間にヒロハハナヤスリ、ハマハナヤスリ、コハナヤスリなどがあり、よく似ていて混同されることが多々あります。
「ハナヤスリ」の名称はコヒロハハナヤスリとヒロハハナヤスリの両方の別名でもあるのでさらにややこしくなっています。
これらハナヤスリの仲間はシダ植物の中でも異色のグループで、新芽がワラビの様に巻いた状態にならなかったりシダらしくない特徴がいろいろとあります。

栽培は簡単です。赤玉土に鹿沼土や軽石砂などを混ぜた用土に植えつけると良いでしょう。茎が折れやすいので植え替えは地上部のない冬に行うと良いでしょう。年中明るいところに置きます。水を好むので年中乾かさないように注意しましょう。
増殖は、根に芽(不定芽)ができて勝手に増え広がっていきます。胞子が飛んで勝手に生えることもあります。


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