ネジバナの花のアップ   鮮やかな紫紅色のかわいいお花です。
  小さいですがちゃんとランらしい花の
  形です。
  純白の唇弁(リップ)がきらきら光り
  結構きれい!  
ネジバナの花軸   らせん階段みたいにお花が並んで
  咲きます。
  右巻き・左巻きのどちらもあり、中には
  あまりねじれないものや途中で向きが
  変わってねじれるものもあります。  
自生地でのネジバナ   ネジバナの自生地での株姿です。
  写真中央で丸みのある葉を広げています。

  これは秋(10月)の姿でこの姿のまま冬を
  越し、夏にこの芽の中心から花茎を伸ばし
  開花します。

  写真は奈良県の山深い渓流の岩の隙間に
  生えていたものです。
  一般的な自生地である芝生とは趣が
  異なり、イワヒバ(シダ植物:写真下部に
  ある緑の葉)と一緒に生えていて野生的
  に見えますね。
ネジバナ(モジズリ)
日本全国に分布し、日当たりよく湿り気の多い場所(特に芝生など)によく見られます。山の中では渓流沿いの湿った岩の隙間や湿原などでも見ることがあります。
雑草的なランで庭やゴルフ場、中央分離帯、公園の芝生など身近なところで見かけることがあります。
そんなことで軽視されることが多いランですがよく見るとなかなか魅力的でかわいらしいです。変異個体(斑入りや花変わり等)も時々発見されるので珍重されます(変異個体を小町蘭と名付けて愛培されています。昔流行ったときもありました。)。
夏に紫紅色で唇弁(リップ)は白色の小花多数を花軸にらせん状につけます。
ネジバナの花軸と子房には短毛が生えていますが、奄美大島以南のものは毛がなくナンゴクネジバナと呼ばれます。こちらの方が世界的には当たり前(分類学上ネジバナはナンゴクネジバナの変種にあたる)でアジア、オーストラリアにも分布しています。
ネジバナは植物の世界の中ではとても変わっており、被子植物に共通する特徴の一つ「重複受精(学校で習いましたね!)」をしない唯一の被子植物です。(ネジバナには精核が一個しか形成されないので、この現象がおこりません。)
面白い植物ですね!

栽培は、比較的簡単です。年中明るいところに置き水切れしないように管理します。植え込み用土は山草用土にミズゴケ粉を加えたものや赤玉土と鹿沼土の混合用土、赤玉土単用、ミズゴケ単用等が用いられます。年中植え替え可能ですが、春か秋が無難でしょう。植え替えの際、根はあまり乾かさないようにしましょう。数年植え替えなくても育ちますが、貴重な品種などは年2回植え替える方もいらっしゃいます。
種子が飛んでいつの間にかあちこちで芽を出し殖えますが、親株は寿命が短いのかいつの間にか消えてしまうことが多いです。株分けで殖やすこともできます。


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