ツクバネの実   秋に実る果実です。

  ツクバネの魅力はなんといっても
  4枚の羽根がついた実がぶら下がって
  いる秋の姿でしょう。

  実が落下するときは、
  まるでヘリコプターか竹とんぼの様に
  くるくると羽根が回りながら落ちます
  (その時は丸い部分が下側になります)
ちょっと若いツクバネの実
熟しかけの実です。
ツクバネの枝姿
枝の様子です。
葉は対生してつきます。
ツクバネの雄花
雄花です。
初夏に枝の先に目立たない緑色の小花をつけます。
ツクバネの雄花のアップ
雄花のアップです。
ツクバネの雌花
雌花です。雄花同様、枝先につきます。
長い苞が4枚ついています。
ツクバネの雌花のアップ
雌花のアップです。

ツクバネ
ビャクダン科の植物です。本州は関東地方から西と四国、九州に分布しています。主にスギやツガ、モミなどの針葉樹の根に根の一部が寄生する半寄生落葉低木です。アセビ、ドウダンツツジ、カエデ、ライラックなどにも寄生するそうです。
高さ1〜2mほどの低木で、枝に長さ3〜7cmほどの葉が対生してつきます。
花は初夏のころに咲きます。雌雄別株(株によってオスとメスの区別がある)で、雄花は5mmほどの緑色の小花で目立たず、雌花は羽根のように見える長さ3・4cmほどの苞が4枚ついています。
実が特徴的でツクバネ(衝羽根・突羽根)の名のごとく羽根突きの羽根にそっくりでかわいらしいです。
実が落下するときは実についた4枚の苞がプロペラの様にくるくると回ります。
若葉は山菜として食用になり、熟した実は煎って食べられます。若い実は塩漬けにして料理の飾りに利用されます。
株姿を見るとしっかりとした木(もちろん光合成もしています)なので単独でも生きていけそうですが、やはり宿主がないと生きていけません。

栽培は、まず健全な宿主を用意しましょう。いろいろな植物の根に寄生するらしいのですが、スギやツガ、モミなどが無難でしょう。その宿主に種子を播くのですが、種子は長いこと放置しておくと著しく萎びてしまうので採り播きが無難です。よく根の張った宿主の根元に種子を埋め込みます。発芽は早くて翌年ですが2・3年後になることもあります。発芽は6月頃です。発芽後しばらくは単独で育ちますが、宿主の根に寄生できないといずれ枯死してしまいます。管理は宿主が健全に育つようにします。早ければ発芽後3年ほどで開花するそうです。鉢植えにしていたものを植え替える場合は絶対に根鉢を崩さないようにし、鉢増しするだけにとどめておきましょう。
雌雄別株なので1個種子を播いただけでは残念ながら結実を期待できません。数個以上播いて雄と雌が両方出現してくれることを祈りましょう。(花が咲くまで区別はできません。)


戻る