デ〜ンと構える ツチトリモチ   ツチトリモチです。
  真っ赤なキノコのようですが、ちゃんと
  種子を作る植物ですっ!
  
  葉緑素がなく完全寄生生活をしています。
3つ仲良く並んだツチトリモチ   上記とは別の株です。

  花序(頭の部分)の一部が黒く傷んで
  見苦しいですが、寄り添うような姿が
  カワイイです!!
  
  不気味なんて言わないで〜!
ツチトリモチの花序のア〜ップ   一番上の写真と同じ株の花序部のアップ
  です。
  
  表面にある無数の粒々は花でも実でも
  なくて花と花の間にある棍体と呼ばれて
  いる突起物です。

  花と実はこの棍体の下にあるので
  外から見ることはできません。
少し離れて並ぶツチトリモチ   また別の株です。
  
  写真左側にある株の花序だけが、よく見る
  と白っぽくなっていますが、これは毛状に
  なった雌しべの先だけが棍体の間から飛び
  出して見えているからです。

  見えているのは短期間で、しばらくすると
  他の株と同じようになります。
ツチトリモチの塊茎です   地下にある塊茎です。
  ゴツゴツとしていて芋っぽく見えます。

  この塊茎から花茎を伸ばします。

  昔はこれをすりつぶし「鳥もち」を
  作ったという。
  
  塊茎は浅く埋もれていることが多いの
  ですが、ここの自生地はちょっとした
  斜面で、大雨が降ると雨水の通り道なる
  ためツチトリモチの株元が洗われ露出した
  ものが多くあり、掘り起こさなくても塊茎を
  しっかり観察できました。
塊茎からヒョッコリのぞいたツチトリモチ   またまた別の株です。
  褐色の塊茎を破り、赤い小さな花序が
  チョコッとのぞいています。

  写真中央に見える白っぽい「ノの字型」の
  ものは宿主の根っこです。
伸び出たツチトリモチ   また別の株です。
  塊茎を突き破り花茎が伸びだしている
  様子がよくわかりますねっ。

  このページの写真は2009年10〜11月
  に和歌山県にて撮影しました。
  

ツチトリモチ(ヤマデラボウズ)
ツチトリモチ科の多年生の寄生植物です。三重県から南西諸島にかけての暖地と中国地方の一部に分布し、主にハイノキ科の根に寄生しています。
地下にはゴツゴツした褐色の塊茎があり、10月頃になると塊茎の表面を突き破り赤い花茎を伸ばします。花茎には鱗片状の葉がつき、花茎の先端には楕円状で肉質の花序を1個つけます。全体の高さは5〜12cmほどで、葉緑素が無く真っ赤なその姿は一見、キノコの様にみえます。
ツチトリモチは雌花だけをつける株しかなく、単為生殖で種子をつくって繁殖しています。雌花は非常に小さくて橙黄色、花被片は無く楕円形の子房に毛状の花柱があるだけです。
花序の表面は赤色の棍体(棍棒状の器官:小棍体とも)でびっしりと覆われていて、棍体の間にあるごく小さな雌花は、通常は外部から見ることはできません。

一般には栽培されていないようです。
現在、寄生植物を研究されている方から依頼を受け、いただいた屋久島産種子の播種試験を行っているので、うまく育てばこのページで報告します。


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