ヤブレガサ
キク科の植物です。本州の太平洋側を中心に四国・九州に分布し山林の木陰に生えています。
掌状に深い切れ込みのある葉を株が若いときは1枚だけ、充実し開花株になったら2〜3枚ほどつけます。開花株は花茎が伸びて50〜100cmになります。夏に薄く紅色がのった白い頭花(キク科植物に見られるように、多数の小さな花が丸く密集して一つの花のように見える花序)を10個ほどつけます。あまり目立たないお花です。
春の新芽を伸ばす姿が「破れた傘」のようなので名前がつきました。(有名ですね!)
新芽は山菜として、てんぷらや和え物などに利用できます。
ところで、キク科植物は双子葉植物(子葉が2枚出ます)なのですがヤブレガサは例外で子葉は1枚だけしか出しません。
栽培は簡単です。やや日陰で管理します。ただし春の芽出し時は日のあたるところのほうが締まったかわいらしい姿になります。鹿沼土と赤玉土等の混合用土でよく育ちます。冬の休眠期に植え替え・株分けができます(春の芽出し前が最適)。
一般的には春の芽出し時のかわいい姿を観賞する植物なので、株が大きくならないように少しいじめて管理します。水遣りは他の植物と同様にしますが、少し乾き気味に管理すると締まった株姿になります。肥料はあげると大きくなりすぎるので控えめにしましょう。地植えではよく育ちすぐに大きな株になってしまうので、平鉢などに株をぎっしり詰めて植え込んであげると小さな株ばかりになり春の芽出し時は見ごたえがあります。(ちょっとかわいそうかな?)
増殖は、株分けと実生(種子播き)、根伏せもできます。実生は採り播きでも春播きでもかまいません。出芽した年は通常子葉のみで本葉は出ませんが、翌年には小さいながらも破れた傘状の小苗が出てきます。
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