ヤクシマアカシュスラン
伊豆諸島から、四国、九州、沖縄と台湾の常緑樹林下に生える地生ランです。三重県、和歌山県にも自生が見られます。
「シュスラン」と名がついていますがシュスラン属(Goodyera属)ではなくシロスジカゲロウラン属(Hetaeria属)の仲間です。
草姿はシュスラン属など近縁の属と同様に這う根茎があり、その先は立ち上がり数枚の葉をつけます。
葉の長さは3〜6cmで葉柄(2cm前後)があります。
夏から秋に花茎をのばし径7mm前後の小花を上向きに咲かせます。
花弁、唇弁(リップ)は白色で萼片は緑赤褐色です。花弁と上萼片は合わさり、唇弁(リップ)もほぼ合わさりますが少しだけ口を開いています。側萼片だけが横に開きます。
草姿、花ともにカゲロウラン[キヌラン属(Zeuxine属)]に極似。こちらは葉のビロード状光沢がより強くて葉柄がなく葉縁は波打ちます。こちらの花はやや傾いた横向きに咲き、側萼片の縁が内側に巻き込み細く見えます。
また、名前が良く似たヤクシマシュスラン[シュスラン属(Goodyera属)]もあるので間違えないように注意が必要です。
栽培は、比較的簡単です。直射日光の当たらない湿度の高い場所で管理します。年中水切れしないよう用土が常にしっとり湿っているようにします。植える用土はミズゴケ単用か鹿沼土・赤玉土・軽石砂などの混合用土等で水はけ良く植えつけます。ただしミズゴケを使用する場合は、ミズゴケが傷んできたら早めに新しいミズゴケで植え替えてあげると良いでしょう。
夏は蒸れに注意しましょう。冬の寒さにはほどほどに耐えますが保護してあげるほうが良いでしょう。産地によっては特に寒さに弱い場合があります。ナメクジ・カタツムリが好んで食害しますので注意しましょう。
増殖は、株分けか匍匐茎を数節ごとに切り分けると苗が得られます。
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