樹林下に佇むキイムヨウラン   自生地でのキイムヨウランです。

  写真中央の黄色くてヒョロッとしたヤツが
  キイムヨウランです。

  全体が鮮黄色なので遠目からでも
  わかります。

  得体がよくわからないランで
  ムヨウランの変種とされたり、
  ホクリクムヨウランの品種とされたり、
  エンシュウムヨウランの黄花品種と混同
  されたりしています。
キイムヨウランのお花の横顔(ちゃんと咲いていないけど‥)   キイムヨウランのお花の横顔です。
  上記とは別の個体です。

  この自生地には十数個体が生えて
  いますがムヨウランやホクリクムヨウラン、
  エンシュウムヨウランは全く生えて
  いません。

  ほんの少し離れたところには
  ウスギムヨウランが群生していますが、
  写真の通りウスギムヨウランとは
  あからさまに違う姿で、花や背丈も
  はるかに大きいです。
  
わかりにくいですがキイムヨウランの副萼です   不鮮明ですみません。
  キイムヨウランの副萼の部分です。

  副萼のギザが大きいところも特徴の一つ。
半開ぎみのキイムヨウランのお花   お花は平開することがあるようですが、
  あまり開かないことも多いらしい。

  写真のお花は終わりかけなのかあまり
  開いていません。
  前の日は開いていたのかな?

  撮影後、花被片を少しめくって、ずい柱を
  観察すると側部に小突起が1対ありま
  した。

  このページの写真は、2009年5月に
  三重県にて撮影しました。
キイムヨウラン
愛知県と和歌山県に分布し、徳島県や高知県、鹿児島県にも分布するという。あまりよくわかっていないランです。
ちなみに私は三重県のとある自生地で十数個体を確認しています。
腐生ランの一種で、普通葉ふつうようがなく葉緑素も持っていないため、光合成が行えず菌から栄養をもらって生活しています。
春に地上に現れ、初夏〜夏にかけて高さ30〜40pの鮮黄色の枝分かれしない茎にまばらに同色の花をつけます。
キイムヨウランは、独立種(Lecanorchis kiiensis)としたり、ムヨウランの黄花変種(Lecanorchis japonica var. kiiensis)とされたり、ホクリクムヨウランの黄花品種(Lecanorchis hokurikuensis form. kiiensis ホクリクムヨウランはムヨウランの変種とされることもあります)とされたりすることもあるうえ、エンシュウムヨウランの黄花品種(Lecanorchis suginoana form. flava エンシュウムヨウランはウスギムヨウランの変種とされることもあります)と似ているので、これと混同されることもあって、なかなかややこしい…

同定するにも情報が少ないので、私が観察した個体群がキイムヨウランであると断定するにはちょっと自信がないのですが、花を詳細に観察すると、キイムヨウランの特徴である「ずい柱側部にある1対の小突起」がみられた点と、この自生地にはムヨウラン、ホクリクムヨウラン、エンシュウムヨウランが混生していないので、これらの黄花品とは考えにくい点、またウスギムヨウランがすぐそばにたくさん自生していましたが、これらとはあからさまに形態が異なっている点などからキイムヨウランとしました。

ちなみに名前は「紀伊無葉蘭」で紀伊に生えるムヨウランの意味です。全体が黄色いので「黄無葉蘭」と誤って呼ばれることもあります。

栽培は現時点ではできません。完全に菌に頼って生きているので、この関係を維持する方法を見つけるか、全く新たな発想の栽培法が見つかれば栽培できるかもしれません。


戻る