ウスギムヨウランのお花です その1   ウスギムヨウランのお花です。
  少し濁った黄褐色をしています。
  写真の株は比較的、花色に濁りが少なく
  花が開き気味の個体です。
  結構きれいですね〜


  標準タイプのお花の写真はこのページの
  下にあります
ウスギムヨウランのお花です その2   ちょっと別角度から。
  唇弁(リップ)の内側には白い毛が
  生えています。
  通常はこの毛の先に赤紫色の着色が
  ありますが、写真の株は極薄くしか
  着色がありません。
  (ちょっと写真ではわかりにくいですね)
ウスギムヨウランのお花の横顔   また別の角度から。
  こちらはお花の横顔です。
  
  矢印の部分には「副萼」と呼ばれる
  ギザギサした器官があります。
  (これはムヨウラン属の特徴です)
  ウスギムヨウランにはさらに、この副萼の
  下にふくらみがあります。

  これまたちょっと写真では分かりにくい
  ですね。すみません。
開花初めのウスギムヨウラン   蕾と咲きかけのお花です。
  緑葉が無いので、枯れ葉が降り積もった
  中では目立ちません。
  ちょっと気づきにくい植物です。
種子を飛ばし終えたウスギムヨウラン   種子を飛ばした後の実です。
  黒くて艶があり、まるで漆塗りの様です。

  2006年6月に三重県にて
  撮影しました。
  (上の写真も)
ウスギムヨウラン(ウスキムヨウラン)
Lecanorchis kiusiana var. kiusiana

本州は静岡県から西、四国、九州の常緑広葉樹林下に生えるやや小型の腐生ラン(葉緑素を持たず菌から栄養をもらって生活しています)です。
春に出現する灰褐色の茎は高さ7〜30cmで、先端に花を5個前後つけます。
花はあまり開かず、濁黄褐色で唇弁は白色、唇弁内側にある毛の先が赤紫色に染まります。
変種とされることが多いエンシュウムヨウランの唇弁の毛は黄色で赤紫色に染まりません。上の写真の個体にはほとんど着色がないのですがウスギムヨウランの自生地の中にあったことと、花の形状がウスギムヨウランの特徴であることからウスギムヨウランとしました。エンシュウムヨウランについてはこちら⇒エンシュウムヨウラン
茎はしだいに黒みを増し、結実すると黒く堅くなってそのまま残ります。

栽培は現時点ではできません。完全に菌に頼って生きているので、この関係を維持する方法を見つけるか、全く新たな発想の栽培法を確立しないといけませんね。


これが普通のウスギムヨウランのお花です 2009年版   ウスギムヨウランの標準的なお花です。
  唇弁にある毛の先には、赤紫色の着色が
  あります。

  2009年5月に三重県にて
  撮影しました。
  (下の写真も)
ウスギムヨウランのお花の横顔です 2009年版   斜め横から写しました。
  唇弁の先は下方にカールしていて、
  毛は前へせり出るようになっています。
ウスギムヨウランはこんな姿です   花柄子房は立ち上がり気味になっていて
  花はあまり開きません。
  ちょっと頼りない姿ですね。  


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